すでに5回目を迎えた「からだのシューレ」。今年最後の企画は、プラスサイズモデルNaoさんの講演会!Naoさんについては、私がたまたまネットで記事を見かけたことがきっかけです。「講演会なんてしたことないです(汗)」といいつつ、「私の経験が誰かの役に立てれば」ということで、この企画が実現しました。
ラファーファのNaoさん。かっこいい!! |
ふだんから雑誌やテレビなどメディアに出ていらっしゃるので、人前で話すなんて余裕だろうと思っていたら、講演の1時間前のNaoさんのツイッターのフィードに「緊張してきた…」の文字が。思いの外緊張していらしたようで、実際にお会いしたら本当に緊張していました(笑)
講演会には40人弱のみなさんがいらしてくださり、講演会がスタート。
Naoさんは、17歳から25,6歳まで拒食・過食を繰り返し、体重の変動は20キロ近くだったこともあったといいます。講演会の前半戦は、Naoさんがこの状態をどう抜け出していったかに焦点が置かれました。
面白かったのが、Naoさんがその道のりをドラゴンボールに例えていたこと。7つ集めたら願いがかなうというドラゴンボール。Naoさんにとってのドラゴンボールは「やせる」ということで、そしたら何かもっといい人生が待っているんじゃないか。そんな風に考えていたのではないかとNaoさんはご自身を振り返ります。
でもそんなドラゴンボールは実は存在していなかった。
「このままの体型でいいんじゃないか」、そう思えるきっかけを少しずつ集めたことがいまの自分につながっているとNaoさんは話されます。
Naoさんが悩んでいるときに、離島のおばあちゃんを訪ね、おばあちゃんから「あんたは何にも悪くない」と言われて涙を流すところは、こちらも思わず泣きそうでした。
またモデルになってから気づかれたことについてもお話しくださりました。太っている人、ぽっちゃりしている人に対して私たちが抱きがちなイメージが、いかにメディアによって作られていること、太っている人はなぜ笑いの対象になるのかなど、私たちが普段何気なく通り過ぎてしまうことに疑問を投げかけてくださり、まさに「モデル界の文化人類学者」(←命名、いその)としてのお話しが次々と続きました。
そして講演会後半は、Naoさんへの質問コーナーに突入。
「自分に素直になるってどういうことですか?」、「Naoさんにとって幸せって何?」といったかなり哲学的な質問から、「健診などで、このまま行くと不健康になりますよ。やせなさい!と言われたらどうしますか?」といったかなり具体的なものまで多くの質問が寄せられました。
それぞれの質問に対する、Naoさんの受け答えを聞いていて印象的だったのが、人から言われたことと、自分との間にワンクッション置くことを大事にしているということ、物事を1つの側面に光が当てられたら、違うところからも見られるんじゃないかと考えることを大事にされているということでした。
Naoさんの言葉の中に、「変わったのではなくて、気付いた」という言葉があり、これは自分自身を変えようとしたのではなく、いままでとは違う形で世界が見られることに気付いたことで、結果として変わったという意味だったのですが、まさにこれが「からだのシューレ」の目的です。
このことを私たちは「社会と身体の間にスキマを作る」という言い方で表現しいたのですが、「変わるんじゃなくて、気付く」というよりインパクトがあり、かつエッセンスを突いている、Naoさんの言葉も使わせていただきたいところです。(Naoさんいいでしょうか?)
講演会は盛会の後に終わり、多くの感想を頂きました。一部紹介しますね。
Naoさんの周りに流されない芯の強さにふれられてとてもうれしかったです。
社会と自分の間にスキマは作れるんだ、と気づけた時間でした。気持ちが楽になりました。今後、就活・就職などで失敗した時、極端に落ち込むことがなくなりそうです。本当にありがとうございました。
今私は過食症を患っており、ふつうに食べることができれば良くて、過食しては気分は落ち込み生き辛いなと感じることが多々あります。そんな中でも、今回の「からだのシューレ」で新しい考え方、社会に対する見方を学びました。当たり前を疑う大切さを感じました。
Naoさんが体験されたことや、そこから見出された考えや気付き、それを力強い言葉で語られていることがとても素晴らしく、とても素敵な方だと思いました。もっともっといろんな場面で発信していかれることを期待します!
今年最後の「からだのシューレ」は、Naoさんの素晴らしいお話のおかげで大成功の裡に終えることができました。Naoさん、ご来場くださったみなさま本当にありがとうございます。
そして、そして、「からだのシューレ」は来年も開催されます!文化人類学を中心に企画を考えてゆきますので、ぜひお気軽に足を運んでくださいね。
みなさま、よいお年を!
来年も鳥が飛びますよ |