2016年7月25日月曜日

安楽と胎盤食

大学院授業の1つ、医療人類学1の最終課題は、医療・介護現場の不思議を人類学的に解き明かしてもらうことです。

最後2回の授業では、それについての発表をしてもらうのですが、明日の発表はこれまでで最強というくらい面白いものが出そろいました。

まずひとつめの発表は、看護師が「安楽」という言葉を多用する理由について。「安楽」なんて言葉、私たち全く使わないけど、看護師さんにはすごくなじみのある言葉。でも当たり前のように使われ過ぎて、それが何かと言われると、発揮としたことが見えてこない。

そんな素朴な疑問から始まったこの調査は、現役看護師さんへのインタビューから、安楽の歴史的、国際的な観点まで入れ込んだかなりの力作です!

そして最後を飾る発表が胎盤食。現役助産師さんが現場で目撃をしたことがきっかけです。妊婦さんが出産後に胎盤を食べるのはなぜなのか?そこにどんな意味があるのかを、こちらも事例と歴史的観点から考察してます。

発表の中には、「なぜあなたは胎盤を食べないのですか」というぶっとび質問まで入れ込まれ、もう文句なしに文化人類学!


明日が楽しみすぎて寝られそうにありません。

 
徳川家宣胞衣塚。ほんとうに埋まってるのかな。

 写真は、根津神社にある徳川家宣胞衣塚。胞衣は退治を包む膜と胎盤のことを指します。胞衣の埋葬は日本では広く行われており、世界的にもこの風習は珍しくないようです。