日本人の声が変わったと思い始めたのは、6,7年前からだろうか。特に女性の発声が違ってきた。喉からまっすぐ声が出ず、声帯の橋に突っかかるような「躓いた声」が多くなった気がするのだ。
実は「躓いた声」からはその人の様子が想像しにくい。痩せ形なのか、お澄ましなのか、私に対して誠実なのか…彼女らが美人だと教えられても、声からは美人感が共有できない。
病気のため4歳で光を失った、三宮麻由子さんのコラムからの一節。
次にイチロー選手と稲葉篤紀さんの対談。
「トレーニングで身体を大きくするのが流行っている」という稲葉さんからの問いかけに対し「全然だめでしょ」、「自分の持って生まれたバランスを崩しちゃダメ」と即答するイチロー選手。
どちらも活躍する分野は全然違うけど、みんなが素敵だと思う「見えるもの」に走って、本質を失ういまの私たちにありがちな姿勢を突いている。
でもそんな世の中だからこそ、自分にしかないものを見つけた人は強いし、揺るがない。