参加者はすごく多様 |
告知文にも書いている通り、このワークショップは摂食障害の治し方を考えるものではありません。ですが、拒食や過食の当事者の方から、当初は予測していなかった意外な反応を頂くことができています。
「『治す』が入っていない見方が初めてだったので楽しかった」
「自分を変えましょうというアプローチではないのがいい」
「自分の外側の世界のことが冷静に考えられてすごく面白い」
そもそもこのワークショップは文化人類学がベースになっているため、「拒食・過食=摂食障害=治すべきもの」という見方がありません。なので「どうやったら治るか」とか、「摂食障害は『治る』病気です!」というアプローチには、でんぐり返しをしてもなりえないのが特徴です。
このワークショップでは、矢印が参加者の心のうちではなく、それをとりまく世界、つまり外側に向いているのです。
そこを意識していたわけではないのですが、そんな文化人類学の見方が、思わぬ効果を生んでいることが上で紹介した、みなさんの感想から見えてきました。
そういえば、拙著を読んでくれた過食の経験者の方もこんなことを言っていました。
お医者さんやカウンセラーが書いた本は、どんなに言葉を選んでかかれていても、そこには「あなたのここがよくないから治しましょう」っていう見方が絶対にある。だから何とかしようと思って読めば読むほど、「自分がだめな人間」に思えてくることがよくあった。でも「なぜふつうに食べられないのか」は「あなたのここが悪い」っていう書き方がされていないから、読んでいて心が軽かった。私は「『拒食・過食』=『病気』、だから治しましょう」という見方が間違いだとは思っていませんし、それには利点もあると思っています。ただ私はこの見方が絶対的に正しい見方とは思っておらず、むしろこういう見方をすることで、見えなくなるものもあると考えています。
「病気と一般的にみなされているものを、病気とみない。そうなるとその現象はどう見えるのか?」
これは文化人類学においては、基本中の基本といえるスタンスなのですが、文化人類学に初めてふれる方には、この視点が新鮮のようです。
身体や食、そしてダイエットや体重、美しさや自分らしさといった、身体や食をとりまく現象についてちょっと違う見方をしてみたい方は、「からだのシューレ Vol.3 」にぜひお気軽にご参加下さい!