2016年4月11日月曜日

「社会人大学院生の学び」から学ぶ

現在の大学院に赴任して3年目の春。2年目の終わりは、私が初めて入った年に入学した大学院生さんが修了する年でもあった。

こんなに勉強したことはない
人生で一番本を読んだ時間だった

関わらせてもらった院生さんたちが口々にそういっているのを聞いて私は正直とても驚いてしまった。

卒業と入学と
なぜなら早稲田にいたときに学生からこんな言葉を聞いたことはなかったから。

勉強はしなかったけど、いろんな人に会えて楽しかった。
勉強はしなかったけど、サークルでいろんなことを学んだ

勉強は添え物でそれ以外のことが大学生活の中心になることが大学生のふつうだし、「勉強はしなかった!」ということがある種の自慢になるような雰囲気もある中で、院生さんたちのこういう言葉の数々に私はとても感動してしまったし、こういう人たちの学びに関われたことはすごく幸せなことだったんだな、と院生さんたちが修了した時に気が付いた。

うちの大学院は、臨床経験を長く積んできた人が入ってくる大学院。管理職について何人もの医療職をまとめている人も多い。だから授業では私が年下のこともすごく多い。

30代、40代、50代は、10代、20代とは全然違う人生の大変さと深さがあるだろう。

仕事、パートナーとの関係、子育てに家庭のさまざま、親の介護や、職場での人間関係、そしてこれからの自分の人生の行き先。

そういうものを抱えながらも、ものすごい時間とお金をとにかく投入して、「学ぶ」ことを選んだ背景にはいろんな理由があるんだろう。その背景を私はすっかり知っているわけではないけれど、しっかり正装をして晴れ晴れしい顔で卒業写真をとっているみなさんの姿をみて、私はわかっているようでなんにもわかっていなかったんじゃないかとうしろめたい気持ちになった。

3年目の今年は、このことを忘れず授業に向かおうと思う。