年内最後の医療人類学はまさにその魅力が現れた。
講義内容は、フーコー、ハッキング、ギデンズ、ラトゥールなどこれまで辿ってきた王道のみなさまの仕事を辿りつつ、一見確実に見える知識の裏側にあるものを考えていく作業。
医療現場で戸惑ったり、あいまいさを感じる部分について聞いたところ、患者の家族の立場から現代の医療に対する違和感について話す人がいたと思えば、その意見に対して、医師の方針がいかにして決まっていくかを医療のバックヤードから話す人がいる。するとそれにとどまらず、「実はそれに関連するの製品を病院に売っていて…」と、企業側の事情を話し出す人がいる。
これまでの講義で、医療人類学的な思考の前提を共有しているから、議論がうまく絡み合って、大変刺激的な90分だった。
さまざまな現役プロフェッショナルが集まる大学院ならではの授業の醍醐味。
医療って確実そうに見えるけど、実はものすごくあいまいな部分をはらんでいて、その中でみながそれぞれの立場から試行錯誤するんだけど、見ているメガネが違うから、すれ違っちゃったりする。
すれ違いが起こると、いばりんぼうの医師とか看護師とか、モンスターペイシェントとか、個人の性格に問題が帰されがちなんだけど、それが原因で問題が起こっていることってほんとはごく少数なんだろうな。
すれ違いが起こると、いばりんぼうの医師とか看護師とか、モンスターペイシェントとか、個人の性格に問題が帰されがちなんだけど、それが原因で問題が起こっていることってほんとはごく少数なんだろうな。