摂食障害の原因は、母親の不適切な子育てにある。
日本ではいまだに広く信じられているこのお話し、世界的みるとそれほど一般的な見方ではありません。
母親に原因を求めるモデルは、アメリカのドイツ系精神科医 ヒルデ・ブルックによって1960年代に作られました。しかしこのモデルは欧米では徐々に廃れていきます。また私が調査を行ったシンガポールでもあっさりと否定されていました。
しかし日本では、このモデルはいまだ残り続けています。 いったいなぜなのでしょう?
今年初・第6回目となるからだのシューレは、摂食障害の原因をめぐる歴史にスポットをあててみます。
(「からだのシューレ」は摂食障害のことを扱うワークショップと誤解されがちなのですが、からだのシューレで摂食障害を扱うのはこれがはじめてなのです!)
なぜ摂食障害の原因が母親に求められるようになったのか。
なぜ原因を母親に求める見方が、根強く残っているのか。
医学や心理学の視点ではなく、歴史、社会・文化、政治・経済にスポットを当て、めぐるめく摂食障害の原因論について考えてみます。
今回は、身体や食の問題に関心のある女性限定で開催します。お気軽にご参加ください!
お申し込みはこちらからお願いします。
「からだのシューレ」とは
日本では若年女性のやせすぎが10年以上前から問題視される一方、私たちの社会には「やせたらもっときれいになれる」「やせたらもっと自信がつく」といったメッセージがそこかしこにあふれています。いま私たちは、子どもであっても大人であっても、女性であっても男性であっても、自分のそのままの身体を受け入れることが難しい社会に生きているといえるでしょう。
やせることと幸せはどうしてこうも結びつくのでしょうか?
体重が増えることはなぜよくないことなのでしょうか?
文化人類学の視点からやせたい気持ちとやせを礼賛する社会の仕組みを見つめます。
あなたのやせたい気持ちが少しでもラクになりますように。
※シューレとは……ドイツ語で「学校」、古代ギリシャ語で「精神を自由に使う」の意です。